根の治療の前にCTを撮るのはなぜ?

根の治療が必要になったとき、CT撮影をご提案する場合があります。

これは、私たちがより安全で正確な治療を行うためのメリットがあるからです。
また、CT画像を使って説明することで、患者さんご自身にも歯の状態を理解していただきやすいと感じています。

そもそも「根の治療」とは?

私たちが「根の治療」や「神経の治療」と説明するのは、専門的には「根管治療」といいます。歯の根の中には、根の先から歯の中へと続く神経や血管が通る細い管(根管)があります。

根管治療では、この根管の中に入り込んだ細菌を徹底的に取り除き、そして、再び細菌が入らないよう管の中をしっかり封鎖する、ということを行います。

したがって、根管の形や位置を正確に把握することが、治療の成功にはとても重要です。そして、そのためにCT撮影がとても有用です。

根の治療でCTを撮るのはどんな時?

すべての根の治療でCTを撮るわけではありません。CTが必要になりやすいのは、上下の奥歯の根の治療を行う場合です。

通常のレントゲン(2次元画像)でも多くの情報は得られますが、どうしても見えにくかったり、判断が難しかったりする部分があります。

通常のレントゲンで分かること

・根の先に影があるかどうか
・過去に根の治療を受けたことがあるか
・治療済みの場合、どこまでお薬が入っているか

これらは、通常のレントゲンでも確認できます。

通常のレントゲンでは分からないこと

奥歯は根が複数あり、さらに1本の根の中に2本以上の根管があることも珍しくありません。2Dのレントゲンでは、様々な構造が重なって写るため正確な判断が難しいことがあります。

・根の先の影がどの根からどの方向へ広がっているのか
・複数ある根のうち、どの根が原因なのか
・1本の根の中にある複数の管(見逃し根管)の存在
・根が割れていないか
・上の奥歯の根と上顎洞との位置関係
・下の奥歯の根と骨の中を通る神経(下顎管)との位置関係

などの把握には限界があります。

CTで分かること

そこでCTの出番です。CTでは立体的に歯やその周囲を見ることができます。

そのため、 

・影がどのように広がっているか
・原因となっている根や根管はどこか
・治療の難易度やリスクはどの程度か

を把握したうえで治療に臨めます。
また、実際のCT画像をお見せしながら説明すると、なぜ根管治療が必要なのか、どのように治療を進めるのか、なぜ時間や回数がかかるのか、といった点を、患者さんご自身にも理解していただきやすいと感じています。

CT撮影は必要な場合のみにご提案しています。
より正確で安全な治療を行うための情報源として重要ですので、CT撮影の必要を説明した際には、ぜひご協力いただけると嬉しいです。とはいえ、どんな治療も患者さんの十分な納得の上で進めていきたいと、私たちは常に考えています。不安な点などはぜひ気軽に仰ってください。